「早くしてって言ってるのに動かない」
「何度言っても同じことを繰り返す」
「ダメと言ったことをわざとやる」
子育てをしていると、子どもが言うことを聞かなくてイライラする場面はたくさんあります。
朝の支度、片づけ、ごはん、お風呂、寝る時間。
毎日の中で何度も同じことを言っているのに、まったく伝わっていないように感じると、親のほうが疲れてしまいます。
「なんでこんなに聞かないの?」
「わざと反抗してるの?」
「しつけが足りないのかな」
そんなふうに悩むこともあるかもしれません。
でも、まず知っておきたいのは、子どもが言うことを聞かないのには、それなりの理由があるということです。
ただの反抗やわがままと決めつけてしまうと、親も子どもも苦しくなります。
この記事では、子どもが言うことを聞かない理由と、親が少しラクになる関わり方をわかりやすくお伝えします。
子どもが言うことを聞かないのは珍しいことではない
子どもが言うことを聞かないのは、特別なことではありません。
むしろ成長の過程ではよくあることです。
なぜなら子どもは、大人のように
- 気持ちをすぐ切り替える
- 優先順位を考える
- 先の見通しを持つ
- 感情をコントロールする
といったことがまだ十分にできないからです。
親からすると「言われた通りにやればいいだけ」に見えることでも、子どもにとってはそう簡単ではありません。
今やりたいことがある。
遊びを中断したくない。
眠い、お腹がすいた、疲れている。
そうした状態の中では、頭ではわかっていても行動に移せないことがあります。
つまり、言うことを聞かないのは、親を困らせたいからではなく、まだできないことが多いからでもあるのです。
子どもが言うことを聞かない主な理由
子どもが親の言葉にすぐ反応しないとき、いくつかの理由が考えられます。
1. 話を理解していない
親は伝えたつもりでも、子どもには内容がうまく入っていないことがあります。
たとえば、
- 言葉が長すぎる
- 一度に何個も指示している
- 抽象的でイメージしにくい
- 子どもが別のことに集中している
こういうとき、子どもは「聞いていない」のではなく、そもそも受け取れていないことがあります。
「早くして」より
「靴をはこう」
「おもちゃを箱に入れよう」
のように、具体的な言い方のほうが伝わりやすいです。
2. 今の気持ちを優先している
子どもは目の前の気持ちが強く出やすいです。
遊びたい、まだやめたくない、眠い、抱っこしてほしい。
そうした感情があると、親の指示より自分の気持ちが勝ちやすくなります。
大人でも、やりたいことを中断させられるとすぐには動けないことがあります。
子どもならなおさらです。
3. 親の言葉に慣れてしまっている
毎日何度も同じ言葉をかけていると、子どもがそれを“流す”ようになることがあります。
「早くして」
「ちゃんとして」
「いい加減にして」
こうした言葉はよく使われますが、意味が広すぎて子どもには届きにくいことがあります。
言われ慣れているぶん、注意としての重みが薄れてしまっている場合もあります。
4. 反発したい時期に入っている
年齢によっては、「自分で決めたい」「言われたくない」という気持ちが強くなる時期があります。
いわゆるイヤイヤ期や、自我が強くなる時期です。
これは単なる反抗ではなく、自分という存在を育てている途中でもあります。
親には大変ですが、成長の一部でもあります。
5. 親の言い方が強くなりすぎている
急いでいるときや何度も同じことが続いたとき、親の声はどうしても強くなりがちです。
すると子どもは、言葉の内容より「怒られた」「怖い」と感じてしまい、ますます聞けなくなることがあります。
親は伝えたいのに、子どもは防御モードになる。
このすれ違いはよくあります。
「言うことを聞かない」には種類がある
ひと口に「言うことを聞かない」といっても、実は中身はいろいろです。
ここを分けて考えると、対応しやすくなります。
できない
まだ年齢的に難しい、段取りがわからない、感情が追いつかない。
この場合は、しつけよりサポートが必要です。
やりたくない
気持ちが乗らない、遊びをやめたくない、面倒に感じている。
この場合は、切り替えやすい声かけが必要です。
聞こえていない・入っていない
集中している、別のことを考えている、言葉が長くて理解できない。
この場合は、伝え方を変える必要があります。
あえて反発している
自分の意思を出したい、親の反応を見たい、気持ちをわかってほしい。
この場合は、頭ごなしに押さえつけるより、まず感情を受け止めたほうが落ち着くことがあります。
同じ「聞かない」でも、理由によって対処は変わります。
全部を「言うことを聞かない子」とまとめないことが大切です。
子どもが言うことを聞かないときに親がつらくなる理由
子どもがすぐ動いてくれないと、親がしんどくなるのには理由があります。
何度も同じことを言わされるから
一回で済むはずのことが何度言っても伝わらないと、それだけで消耗します。
毎日のことならなおさらです。
時間に追われているから
朝の支度や外出前、寝る前など、親は「今すぐ動いてほしい」場面が多いです。
だから聞いてもらえないと、焦りとイライラが一気に強くなります。
自分の関わり方が悪いのではと不安になるから
言うことを聞かない状態が続くと、
「しつけができていないのかな」
「甘やかしすぎ?」
と不安になることもあります。
でも、子どもが聞かないことと、親失格であることは別です。
まずはそこを切り分けて考えることが大事です。
子どもが言うことを聞かないときの対処法
ここからは、実際にできる関わり方を見ていきます。
伝える内容を短く具体的にする
子どもには、短くてはっきりした言葉のほうが伝わりやすいです。
たとえば、
- 「早くして」ではなく「靴をはこう」
- 「ちゃんと片づけて」ではなく「ブロックを箱に入れてね」
- 「いい加減にして」ではなく「ソファの上では飛ばないよ」
曖昧な言葉を減らすだけでも、反応が変わることがあります。
先に気持ちを受け止める
いきなり指示を出すより、先に子どもの気持ちを言葉にすると動きやすくなることがあります。
「まだ遊びたかったよね」
「今やめたくないよね」
「眠くてイヤなんだね」
そのうえで
「あと1回したら終わりにしよう」
「これが終わったらごはんにしよう」
と続けるほうが、頭ごなしに言うより通りやすいことがあります。
選ばせる
子どもは「やらされる」と反発しやすいですが、「自分で選ぶ」と動けることがあります。
「今着替える? それともトイレのあとにする?」
「赤い服にする? 青い服にする?」
このように小さな選択肢を出すと、主導権を感じやすくなります。
切り替えの予告をする
急に「終わり」と言われると、子どもは気持ちを切り替えにくいです。
「あと5分でお片づけしようね」
「この絵本を読んだら寝るよ」
と予告しておくと、少し心の準備ができます。
親が言いすぎない
何度も注意したくなる気持ちは自然ですが、言葉が多くなるほど子どもには届きにくくなることがあります。
一度伝えたら少し待つ。
目を見て短く伝える。
それだけでも変わることがあります。
逆効果になりやすい関わり方
ついやってしまいがちですが、逆にこじれやすい対応もあります。
感情だけで怒鳴る
怒鳴るとその場では止まることがあっても、子どもは内容より怖さを強く受け取ります。
すると「なぜダメなのか」が残りにくくなります。
人と比べる
「お友達はできてるよ」
「お兄ちゃんはそんなことしなかった」
こうした比較は、やる気より傷つきや反発につながりやすいです。
ずっと説教する
長い説明や説教は、大人が思うほど子どもには入りません。
途中で聞けなくなってしまうことも多いです。
何でもすぐ親がやってしまう
急いでいると、つい親が全部やってしまいたくなります。
でもそれが続くと、子どもは「自分でやる機会」を失いやすくなります。
時間に余裕がある場面では、少し待つことも必要です。
それでも言うことを聞かないときはどうする?
いろいろ試しても、うまくいかない日はあります。
子どもも親も人間なので、毎回理想通りにはなりません。
そんなときは、全部を完璧にしようとしすぎないことが大切です。
今日は疲れているからうまくいかない。
今は眠くて無理なんだろう。
この場面は毎回もめやすいから、やり方を変えよう。
このように、子どもの問題だけでなく、状況の問題として見ることで少し楽になります。
また、あまりにも困りごとが強い場合は、
- 年齢に比べて極端に切り替えが難しい
- 指示が入りにくい状態が続く
- 園や学校でも同じ困りごとが強い
といったことがあれば、先生や専門機関に相談するのもひとつです。
親のせいと抱え込まなくて大丈夫です。
まとめ|子どもが言うことを聞かないのは、親のせいだけではない
子どもが言うことを聞かないと、親は本当に疲れます。
何度も同じことを言って、伝わらなくて、イライラしてしまう。
毎日のことだからこそ、しんどさも大きくなります。
でも、子どもが聞かないのは、反抗やわがままだけが理由ではありません。
まだ理解が追いつかないこともあれば、気持ちの切り替えが難しいこともあります。
言葉が届いていないだけのこともあります。
だからまずは、
「なんで聞かないの!」
と責める前に、
何が難しいのかな
と少しだけ見方を変えてみてください。
伝え方を短くする。
気持ちを受け止める。
予告する。
選ばせる。
そんな小さな工夫で、少し変わる場面もあります。
親が悪い、子どもが悪い、で終わらせなくて大丈夫です。
言うことを聞かない時間も、成長の途中によくあるひとコマです。
うまくいかない日があっても、自分を責めすぎないでください。